世界を養う植物の話 7
たとえば動物の遺伝子をバクテリアに入れ、その微生物を使ってインシュリンやインターフェロンや人間の成長ホルモンといった生産物が大量につくられているからです。
だからもっと複雑なことができると見ても、決しておかしくはないと思うのです。
これからもしばらくは、伝統的な育種法に頼る必要があるでしょう。
今日の遺伝子工学では、植物の遺伝子と分子のレベルでの遺伝子制御についての理解は、動物の遺伝子についての理解に比べると、はるかに遅れています。
必要とされる個々の遺伝子がまだ認識されていないのです。
しかし、認識できたからといって、そこですべてが解決されるわけではありません。
植物の生育過程の適切な瞬間に、特定の遺伝子が発現したりしなかったりということがなされる必要があります。
まだあまり理解されていないものに、調節遺伝子やそのメカニズムがあります。
ごくごくわかりやすく述べると、トマトの場合、果実の中で生産される物質は、その植物の根や葉でつくられるものとは違うということです。