正座をする生活
私の寓居では、学生たちと食事をするとき床面に坐ってもらうほうが収容力が大きいです。
それをいいことにして、食事用の椅子は家族の数しか用意していないし、部屋を占有する大きな家具を買うことをなるべく制限しています。
いらない家具は不用品 買取で処分しました。
若い学生諸君がやってきて、いわゆる正座をする人はめったにいないのです。
柳田国男氏の"民間些事"によれば、きざはしの前で貴人に対した正座は拝脆の礼に始まります。
それは、腰を足の裏につけてはいけない作法です。
しかし、対等の双方が膝を屈して謹んでいる間に、だんだんと婦女子も足の甲を延ばし、床につけ、足の裏に尻をおく坐法に変わった、といいます。
坐るは尻をスエることであると。
脆座より楽な形で固くるしくないのです。
アグラはなにも学生諸君だけではないのです。
つい先日、さる仏教による法事がありましたが、畳の上で正座をする客は少なかったですね。
電車やバスに乗って腰を深く座席にかけずに、浅くかけて長い脚を投げだしたり、組んだりする人も多く見うけます。
戦後アメリカ兵たちがやっていた姿がサングラスと共に日本に残ったのではないでしょうか。